フットケアといえばエステサロンの仕事だと認識するかもしれないが、介護の世界でも重要視されている。介護施設によっては十分にフットケアができないケースがあるが、フットケアをしないと高齢者の健康維持が難しくなるのだ。例えばサイズの合わないきつい靴を履いていると、それが原因で血行を阻害したり、むくみを招いたりする可能性がある。靴を脱いだときに気持ちよいと感じるという声は多いが、これは圧迫から解放されるからだ。逆にいえば圧迫されている状態は、身体に負担となっているのだ。
介護施設でフットケアに取り組むならば、まずはチームづくりが必須である。ひとりの介護士だけがフットケアを実践しようと考えても、すべての高齢者に対処することはできない。確かにフットケアを導入すれば介護士の仕事量は増えてしまうが、高齢者の健康維持や病気予防というメリットを考えれば、導入する価値は大いにある。
フットケアを受けるようになった高齢者からは、よく眠れるようになったという声が多い。手技で足をほぐしていくことで血液の巡りをサポートしたり、疲労を取り除いたりできるのだ。フットケアといえば洗浄をイメージする人が多いが、汚れを落とすだけが目的ではない。足の異常に素早く気づき、対処するという目的もある。例えば足の色が周りと比べて白くなっているならば、血液の巡りが悪いのかもしれない。こうした状況は目視で確認しなければ気づくことができないのだ。